JBLでクラシックを聴く

ヤフーブログ終了で引っ越ししてきました。主にオーディオについてです。すでにオーディオ一式は断捨離で売り払ってしまいましたが、思い出のために引っ越しして残すことにしました。

6/26'05 ジュリーニ/ヴェルディ・歌劇「椿姫(La Traviata)」 全曲

イメージ 1ジュリーニ氏追悼10弾。

作曲: ヴェルディ
指揮: ジュリーニ(カルロ・マリア)
マリア・カラスディ・ステファノパスティアニーニ他
演奏: ミラノ・スカラ座管弦楽団
東芝EMI 59405・6 (1955)Live

ヴィオレッタ・ヴァレリードゥミ・モンドの女(貴族をスポンサーにもつ娼婦)(ソプラノ)
アルフレード・ジェルモン:南仏プロヴァンスの若い貴族(テノール
ジョルジョ・ジェルモン:アルフレードの父親(バリトン
フローラ・ベルヴォア:ドゥミ・モンドの仲間(メゾソプラノ
ガストーネ子爵:ヴィオレッタの友人(テノール
ドゥフォール男爵:ヴィオレッタのパトロンバリトン
アンニーナ:ヴィオレッタの召使い(メゾソプラノ

椿姫の曲は殆ど何処かで耳にしていて、オペラに弱い僕でも親しみが有ります。
確か、学生時代に椿姫をリメークした映画を見た覚えがあります。

初演は1853年3月6日、ヴェネツィアフェニーチェ劇場で行われましたが、準備不足(作品の完成から初演まで数週間しかなかった)や、結核で死ぬべきヒロインを歌う歌手の体格が良すぎたことなどから、初演では聴衆からも批評家からもブーイングを浴び大失敗でした。
しかし、翌年の同地での再演では入念なリハーサルを重ねた結果、聴衆に受け入れられ、その後も上演を重ねる毎に人気を呼び、今日ではヴェルディの代表作とされるだけでなく、世界のオペラ劇場の中でも最も上演回数が多い作品の一つに数えられています。

EMIに残されたマリア・カラスの激唱を最新リマスタリング技術で音質を良くしていますが、1955年録音と思えば納得できますネ。音質はイマイチですが、これをカバーして余りある、すばらしい歌、演技の迫力が堪能できる名盤でしょう。 また、ライヴ録音なので、演奏には強烈なリアリティがあり、最後の死のシーン曲など、何度聴いても感動します。
カラスが歌うと、薄幸のヴィオレッタも迫力があり、情熱的な女性となります。彼女を語るうえでは絶対に忘れることのできない、必聴の演奏記録でしょう。

結核の恐怖と時代背景>
結核が伝染病とわかったのは1865年。そして結核菌が発見されたのが1882年。このオペラの初演が1853年ですから、ヴィオレッタの回りにいた人たちは、結核が空気感染するとは夢にも思っていない時代です。
当時、結核は不治の病として恐れられていて、原因も治療法もまだわからず、少しでも死ぬのが先に延びるよう、暖かいところに引っ越して栄養をとるくらいしか方法はありませんでした。

現在、結核菌検査に1ヶ月以上かかっていますが(正確には2ヶ月)、最近では1週間(結核法認定には未だ改正されて無いようです)、発売未確認ですが当日に結果が分かる、検査の開発が報告されています。

<なんで椿姫なのか?>
原作が「椿を持つ女」だったのをヴェルディが「ラ・トラヴィアータ(道を踏み外した女)」と題名を変えました。日本では一般的に「椿姫」と呼ばれていますが、それでも時々「ラ・トラヴィアータ」と書いてあるものを見ます。
ヴェルディがわざわざ題名を変えたのだからその趣旨に沿て、「道を踏み外した女」にしたらと思います。しかし、最近の映画のタイトルにしてもしかり、あるいはオペラでもモーツァルトの「コシ・ファン・トゥッテ」やマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」にしても日本人が見てわかるようなタイトルでない事も、僕を含めた日本人がオペラに入り込めない一因であるかもしれませんネ。
いっそ、変えるなら「スミレちゃん」なんてぇーのは如何?。