北九州伯林的管弦楽団 定期演奏会曲目(2011)
序奏ではクラリネットが暗い旋律を吹く。この主題は「運命の動機」ともいわれ、各楽章に現れて全曲の統一感を出している。主部にはいると、弦のザックザックとした行進曲調のリズムに乗って、クラリネットとファゴットが第1主題を出す。哀愁感のある推移主題の後、第2主題はヴァイオリンによる流麗な旋律。展開部は第1主題に基づく。型どおりの再現の後、第1主題によるコーダとなり、盛り上がった後暗く重い結末となる。
短い弦の序奏のあとで鳴らされる主要主題はホルンの美しい調べが印象的。愛らしくもどこか悲しい副主題も美しい。2つの主題が反復された後、中間部にはいると、クラリネットが哀愁を帯びた旋律を示して切迫する。「運命動機」は、中間部のクライマックスと、主部が復帰してコーダに入る直前に激しく出る。
チャイコフスキーは交響曲第4番の第1楽章で「ワルツのテンポ」を指示しているのだが、ここでは純然たるワルツを採用した。中間部は弦による細かい音型が特徴。この音型に乗ったまま、主部の主題が復帰してくる。「運命動機」はコーダでクラリネットとファゴットに静かに現れる。