JBLでクラシックを聴く

ヤフーブログ終了で引っ越ししてきました。主にオーディオについてです。すでにオーディオ一式は断捨離で売り払ってしまいましたが、思い出のために引っ越しして残すことにしました。

iPS細胞の話題2つ

<安全なiPS細胞、効率よく作製(1)>
iPS細胞作製にがん遺伝子を使わない方法で、がん化の危険性が少なく、iPS細胞になり損ねた危険な細胞も排除されるという。9日付の英科学誌ネイチャーで発表する。

 iPS細胞は、皮膚などの細胞に3、4種類の遺伝子を組み込んで作る。がん遺伝子を含む4種類の遺伝子を使えば効率よく作れるが、がん化の恐れが高まる。一方、がん遺伝子を除くと、安全性は改善するものの、作製効率が100分の1以下になるため、作製効率と安全性の両立が課題となっていた。

 グループは、がん遺伝子の代わりに、別の遺伝子を組み合わせることで効率を上げられないか検討。1437種類の候補遺伝子を一つずつマウスの細胞に導入。卵子でよく働く「Glis(グリス)1」という遺伝子を組み合わせると、効率が最大で約100倍まで向上することが分かった。グリス1がないと80%がiPS細胞になり損ねた不完全な細胞になったが、グリス1を加えるとすべてが正常なiPS細胞になった。

<安全なiPS細胞、効率よく作製(2)>
iPS細胞の作製には、体細胞に4種類の遺伝子(Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入する必要があり、これまではレトロウイルスやレンチウイルスなどのウイルスベクターに4遺伝子を組み込み、体細胞に注入していた。ただ、レトロウイルスは宿主細胞の染色体に組み込まれるため、ゲノムに挿入されたc-Mycレトロウイルスが再活性化したり、それ以外のゲノムが組み込まれた挿入部位近傍で遺伝子発現の変異が起こる可能性があり、癌発生などのリスクもあった。また、ウイルスベクターは実験のたびに厳密に管理された実験室で作製する必要があり、iPS細胞技術の普及の障害ともなっていた。

 iPS細胞の樹立に向けて、ゲノムに外来遺伝子の挿入がない遺伝子導入方法としては、アデノウイルスベクターを用いる方法が報告されているが、山中氏らはウイルスベクターではなく、プラスミドを用いても可能なことを見出したもので、iPS細胞を応用する上での安全性がさらに高まった。プラスミドは輪状のDNAで、細胞のDNAには取り込まれず、役割が終わるとプラスミドは消滅するので、より正常な細胞が期待されている。

<マウスでラットiPS細胞から、すい臓作製>
マウスにラットの人工多能性(iPS)細胞を注入することで、ラットの膵(すい)臓を持つマウスをつくり出すことに東京大学科学技術振興機構の研究者たちが成功した。
iPS細胞から臓器作製の一歩が始まった。今は、豚から人間のすい臓を造る実験を開始中。