JBLでクラシックを聴く

ヤフーブログ終了で引っ越ししてきました。主にオーディオについてです。すでにオーディオ一式は断捨離で売り払ってしまいましたが、思い出のために引っ越しして残すことにしました。

樹公庵さんの「今月のこの1曲」

今月のこの1曲(2007.4月)-J.S.バッハ・フルートソナタ ロ短調 その1

みなさま 4月に入ってからは、あまり好天に恵まれず雨の日もけっこう多かったのですが、晴れればやはりもう晩春。月の後半には初夏のような気温となる日も増えてきました。いかがお過ごしですか。 さて、先月は、テレマンの「パリ四重奏曲集」を紹介しまし…

今月のこの1曲(2007.4月)-J.S.バッハ・フルートソナタ ロ短調 その2

第2楽章は、ラルゴ・エ・ドルチェ。ニ長調。 いかにも、穏やかで美しい楽章。ここでは、チェンバロは和声を支える役割に徹し、その上でフルートがのびやかな旋律を奏でていきます。 第3楽章は、プレスト-アレグロ。ロ短調。 この曲唯一の快速な楽章で、2…

今月のこの1曲(2007.3月)-テレマン・パリ四重奏曲集 その1

みなさま 春も名のみか、3月の声を聞いてからはかえってしばらく寒い日が続き、暖冬に慣れた身体には真冬に戻ったようでしたが、ようやく桜の便りも聞かれる季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。 私が日頃よく聴く音楽は、古典派以降のものが多く…

今月のこの1曲(2007.3月)-テレマン・パリ四重奏曲集 その2

「パリ四重奏曲」は、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ又はチェロとクラヴサン(チェンバロ)による四重奏曲です。 全体は6曲からなり、各曲はプレリュードやそれに続く舞曲風、性格小品的な楽曲6曲(第3番のみ7曲)で構成されるフランス風…

今月のこの1曲(2007.1月)-モーツァルト・ピアノ協奏曲第9番 その1

みなさま 本年もよろしくお願いします。 年が明けても、今年は依然として暖冬の気配が改まらず、雪国でも積雪が少なく、一部のスキー場などでは困っているようです。 これが年ごとの変動によるものならいいのですが、地球温暖化の進行の影響といったことなど…

今月のこの1曲(2007.1月)-モーツァルト・ピアノ協奏曲第9番 その2

第2楽章は、アンダンティーノ。やはりソナタ形式によっていますが、緩徐楽章らしく展開部が短いため歌謡形式のようにも見えます。 この楽章の特徴は、ハ短調で書かれていることです。 これ以前に、モーツァルトの長調の協奏曲やシンフォニーで、短調の中間…

今月のこの1曲(2006.8月)-ホルスト・組曲「惑星」 その1

みなさま 処暑も過ぎ、いくぶん朝晩は過ごしやすくなってきたかなとはいうものの、やはり毎日蒸し暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。 昼間は相変わらず蝉たちが最後の夏を惜しむかのように鳴いていますが、夕暮れともなると蟋蟀が秋の音を…

今月のこの1曲(2006.8月)-ホルスト・組曲「惑星」 その2

組曲「惑星」作品32は、第一次世界大戦勃発の直前1914年5月に作曲に着手し、1917年にはほぼ完成していたとされています。 その第1曲「火星」について、ホルストは、大戦の勃発とは無関係だと言っていますが、初演を聴いた聴衆は、その不気味で荒…

今月のこの1曲(2006.8月)-ホルスト・組曲「惑星」 その3

さて、「木星」は、まずアレグロ・ジョコーソで、4部に分けられたヴァイオリンのさざ波のようなアルペジオで始まる。そこにホルンが(「非常に重々しく」と表示があるが、むしろ力強く広がりを感じさせるような)シンコペーションが印象的な第1の主題を奏…

今月のこの1曲(2005.9月)-ドビュッシー・ベルガマスク組曲 その1

みなさま 暑かった夏もようやく終わり、喧しかった蝉の声もいつしか聞こえなくなり、夜ともなれば虫の声が集く季節となりました。 おかげさまで、この「今月のこの1曲」も2周年を迎えることができました。 秋9月といえば、お月見ですが、実際には長雨の時…

今月のこの1曲(2005.9月)-ドビュッシー・ベルガマスク組曲 その2

この組曲のCDは、現在、手元に6種ほどあります。 2巻の前奏曲集などに素晴らしい演奏を残したミケランジェリにこの曲の録音がないのが少々残念ですが。 まずは、ワルター・ギーゼキングの全集から。これはモノラル録音(EMI、ベルガマスク組曲は19…

今月のこの1曲(2005.8月)-ブリテン・戦争レクイエム その1

みなさま 残暑お見舞いも申し上げぬうちに処暑も過ぎてしまいましたが、暑い夏、いかがお過ごしだったでしょうか。 今年は、終戦後60年という大きな節目の年にあたり、常以上に世界と人々の平和について思いを致しました。(60年というのを節目と感じる…

今月のこの1曲(2005.8月)-ブリテン・戦争レクイエム その2

第3章「オッフェルトリウム」では、まず天使のような児童合唱が妙なるオルガンの伴奏で、主イエスに「救い給え」と歌い、これを受けて合唱が大天使ミカエルに、「主がその昔アブラハムと子孫に約束したこと」と明るく歌う。 後半は、これを受けたオーウェン…

今月のこの1曲(2005.7月)ヴォーン=ウィリアムズ・ロンドン交響曲 その1

みなさま いよいよ梅雨も明け、夏も本番となりました。いかがお過ごしでしょうか。ここのところはまだしのぎやすい日が続いていますが、またこれから暑くなりそうです。 さて、7月7日は七夕ですが、またMahlerianでもあります私にとっては、今年のこの日は…

今月のこの1曲(2005.7月)ヴォーン=ウィリアムズ・ロンドン交響曲 その2

ロンドン交響曲は、先に述べたようにヴォーン=ウィリアムズの2番目の交響曲となりますが、その交響曲がまだあまり聴かれることのなかった比較的早い時期から聴かれていただけあって、彼の交響曲中でも聴きやすく馴染みやすい1曲だと思います。作曲者もバ…

今月のこの1曲(2004.2月)ビゼー・交響曲第1番 その1

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 この冬は寒い日もあったものの、全体には暖冬だと言うべきでしょうか。特にこの2月は暖かい日も多かったように思います。 その2月ももう過ぎようとしていることに気づき、あわてて「今月のこの1曲」を書いております…

今月のこの1曲(2004.2月)ビゼー・交響曲第1番 その2

第1楽章は、アレグロ・ヴィヴォのソナタ形式。このVivoというのが、いかにも南欧風な感じでいいですよね。 いきなり、フォルテで、威勢よく、生き生きとした第1主題が始まり、主題の後半はピアノになるけど、すぐにまた、うきうきするような楽句が続き…

今月のこの1曲(2004.1月)-モーツァルト・交響曲第38番 その1

みなさま いかがお過ごしでしょうか。 先日来、なにやら、むつかしいオーディオ装置の話から始まり、ミュージカル「ラ・マンチャの男」やら、ソフィア・ローレン、はては日露戦争とフィンランド、シベリウスの関係、などなど、さすがに先輩達の話題は尽きず…

今月のこの1曲(2004.1月)モーツァルト・交響曲第38番 その2

プラハ交響曲は、さきほど触れた深遠なアダージョの序奏で第1楽章が始まります。 トゥッティによる主和音がフォルテで鳴らされたと思うとすぐピアノとなり、またフォルテの三連符を伴った短い上昇音型が繰り返され、という具合に強音と弱音とが頻繁に交代し…

今月のこの1曲(2004.1月)モーツァルト・交響曲第38番 その3

もうひとつ、お薦めは、P.マーク指揮パドヴァ管による演奏です。 これは、メンデルスゾーンなどとともに、先年亡くなったマークが晩年に残した録音の一つですが、それほど実力のあるオーケストラとも思えぬイタリアのパドヴァ管を振って、非常に美しく、透明…

今月のこの1曲(2005.6月)メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」 その1

みなさま また梅雨の季節がやってきましたが、いかがお過ごしですか。雨の日が続いて鬱陶しい時期ではありますが、一方で木や草などの植物、小鳥や虫など、この列島に生きとし生けるものにとってはこれもなくてはならない大切な季節なのでしょう。 さて、6…

今月のこの1曲(2005.6月)メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」 その2

さて、それはともかく、「真夏の夜の夢」の音楽です。 この曲には、二つの作品番号が付いています。序曲には作品21、それ以外のナンバーには作品61となっています。これにはわけがあります。 実は、「真夏の夜の夢」序曲は、1826年、メンデルスゾー…

今月のこの1曲(2005.6月)メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」 その3

このメンデルスゾーン「真夏の夜の夢」の音楽には、さすがに少なからぬ録音があります。ビゼーの「アルルの女」やグリークの「ペールギュント」のように演奏会用の組曲になっているわけでもないのに。 何と言っても、序曲が別格で、これは序曲集といったCD…

今月のこの1曲(2004.6月)ディーリアス/二つの小品 その1

みなさま さて、今月もまた、うき世の暮らしにかまけているうちに月末となってしまいました。 別に誰に頼まれたわけでもなく、連載契約を結んでいるわけでもないので、月末締め切りを気にする必要はないのですが、「今月の...」などという因果なことを始…

今月のこの1曲(2004.6月)ディーリアス/二つの小品 その2

(付録) 現代音楽とは? で、冒頭の「現代音楽とは」でございますが、これについて、はちろべえ師は、現代音楽とは、「①近来のわけのわからない音楽の総称、②古典的調性から離れた調性を持つもの、③ロマン主義に反旗を翻した作曲家の作品」等々と、定義をひ…

今月のこの1曲(2004.5月)ストラヴィンスキー/春の祭典 その1

みなさま オーディオの神様、笠幡の水神様が、近時、マーラーの全交響曲をお聴きになり、「すばらしい」とおっしゃっていると、アンチ・マーラー派のはちろべえ師匠が残念そうに述べているのを伺い、マーレリアンの私は嬉しく思っています。 5月は、そのマ…

今月のこの1曲(2004.5月)ストラヴィンスキー/春の祭典 その2

この曲は、かつてパリ初演の際、大混乱を引き起こし、その折の批評には、「春の祭典の本質的な特徴は、これまでに書かれたことのないような不協和音と耳障りな音楽ということである。...どの音も鋭く、残酷なほどの不協和音を故意に聴かせ、摩擦音や歯ぎ…

今月のこの1曲(2004.4月)ベートーヴェン/交響曲第3番 その1

4月というのは、のんびりしているようでいて、なんやかや結構あわただしくいつの間にか過ぎてしまう月です。 今年もまた、そんな感じで、気がついたら、月末になっていました。 実は、4月には取り上げようと思っていた大好きな曲があり、先月の末あたりか…

今月のこの1曲(2004.4月)ベートーヴェン/交響曲第3番 その2

単純な緩徐楽章とは言えない、起伏のあるきわめて変化に富んだ楽章です。 この楽章はいろいろな感情を込めやすいとも言えますが、この長丁場をだれさせずに、緊張感を保持して演奏しきるのもなかなか至難です。 第3楽章は、スケルツォ。アレグロ・ヴィヴァ…

今月のこの1曲(2004.4月)ベートーヴェン/交響曲第3番 その3

結局、私は、わざとらしくなく、品位と平衡感覚があり、それでいて、「歌」と「踊り」的な高揚感のある演奏が好きなのですね。 原始的な音楽は舞踏から始まったという説もあるそうですが、抽象芸術音楽の代表たる交響曲といえども、やっぱり聴いていて上体が…